2022年8月ポーランド・ウクライナ訪問記 _6回目 | スタッフブログ|ハンガーゼロ

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2022年8月ポーランド・ウクライナ訪問記 _6回目

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「8月16日の行程」


 ポリチャ小学校を後にした私たちは西部の都市リビィウに向かいました。1時間ほどでしょうか、リビィウは人口83万人の大都市で、石畳が広がる街並みの美しさに私たちは目を奪われました。そこで王さんから「これから病院にお見舞いにいきましょう」と提案され、お見舞いの花や果物を買い込んで訪問した先は、タチアナさんというご婦人です。彼女は東部の町からここに担ぎ込まれてきました。自宅の庭で娘さんと電話をしているその時、空襲警報も鳴らないままロシアのミサイルが着弾、その爆発で左足を付け根から失ったのです。右足にも大きな火傷がケロイド状に残り、それが突っ張って今も痛いとのこと。決してきれいとは言えないベットのシーツに座って、私たちのお見舞いを大変喜んでくださった。森さんを横に座らせて、私たちの訪問を何度も何度も感謝されていました。同じ病室にはあと2人のおばあさんも入院されておられ、隣のベットのおばあさんは携帯電話で娘さんと何やら話し込んでいますが、泣いて泣いて何かを訴えているようです。向かい側のベットに横たわるおばあさんは、顔だけ私たちの方に向けて何度も訴えるように話しかけてこられましたが、言葉がわからない私たちはただ笑顔を返すしかありませんでした。いつ故郷に帰れるのでしょう。人生の晩年にこの苦しみを味わうなんて、胸の詰まる思いです。


 
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「タチアナさん


 さて、そこを失礼して今日3回目最後のコンサート会場であるイバノフランコフスクの復活教会へと急ぎます。2時間半ほどの道のりですが、すでに約束の時間に遅れ気味です。30分遅刻して会場に到着しました。なんと入り口には50名以上の避難民の方々が私たちの到着を待っていてくださって、私たちと一緒に会場入りです。とは言えすぐに始められるわけでもなく、小1時間ほど公開リハーサルとなりました。また少々音響トラブルの解決の間、舞台の前説のように私がHungerZeroの紹介やここに来させていただいた経緯などを話し、いよいよコンサートの開始です。他の2回のコンサートと同じ曲目に加えて英語と日本語でアメージンググレイスも皆さんと一緒に歌うなど、楽しいひとときでした。


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「イバノフランコフスク・復活教会でのコンサートの様子」


 コンサートが終わると参加された避難者の数名が前に出て感想を話してくださいました。お1人の婦人は「当初私は避難者を助ける側でしたが、戦況が悪化するにつれ私たちの街も攻撃され、今度は自分が避難者になり、不安と恐れに苛まれてしんどい鬱症状を発症してしまった。でも今日ゆりの歌を聞いて希望を持つことができた。Дякую! ありがとう!」と、笑顔と涙が混ざった輝くような顔で話してくれました。後に森さんは「あの婦人の言葉をいただいて、本当に来て良かった」と、あの言葉によって森さんの中にもあった葛藤が吹っ切れたのだそうです。

 コンサート終了後に、会場となった復活教会の牧師スタッフ方が夕食を用意してくださって、しばらくおいしい食事をいただきながら楽しい語らいの時でした。そこで若い牧師が「明日もここに来て歌ってほしい!」とリクエストしてくれましたが、私たちは帰国のために明日ポーランドに戻らなければなりません。そのことを伝えると、「じゃ、今度はいつ来てくれるんだ?」と熱く熱く訴えられるもので、思わず「では来年!」と答えてしまいました。「じゃ、次回はここだけでなくあそこもあそこでも」とすでにコンサートの予約が。なんとも話の流れで「来年!」と出たことでしたが、でも私たちはもう一度来たい思いはありました。次回は最善のかたちで戦争が終結し、戦後の復興の一場面でお役に立つことができればと願っています。


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「復活教会の牧師スタッフの皆さんと」


 コンサートを終えてその夜宿泊するホテルへ。フロントで手続きと部屋の鍵等の説明を受けて部屋に行こうとした私たちに「もう一つ確認事項です。もし空襲警報がなったら、そこの正面玄関を出て右に行くとシェルターがあるので避難してくださいね」とニッコリ。やっぱりここは戦場なんだと身構えました。幸いその夜は何事もなくぐっすり眠れたのですが、この日から2ヶ月後の10月10日と11日、この美しい都市リビィウにロシアからのミサイル攻撃があり、4つの火力発電所が破壊されました。

 次回は、ポーランドに戻る途上での出来事、特に「岡さん発熱する!」を報告します。

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