世界の飢餓ニュース

私たちの知らないところで起きている飢餓問題の現状を知ろう。

ユニセフ(国連児童基金)「レポートカード 15」 

日本の就学前保育・教育への参加率は41カ国中34番目
ユニセフ(国連児童基金)イノチェンティ研究所は10月30日、「レポートカード15──不公平なスタート:先進国における子どもの教育格差」(原題:An Unfair Start:lnequality in Children's Education in Rich Countries)を発表した。先進国に暮らしていても、子どもに質の高い教育への平等なアクセスが保障されているとは限らず、より経済的に貧しい国に暮らす子どものほうが成績がよいことも珍しくないと、そこでは指摘されている。

就学前と小学校、中学校での教育の格差の程度を基にして、欧州連合(EU)や経済協力開発機構(OECD)に加盟する41カ国を順位づけた。さらに、入手可能な最新のデータを使用して、親の職業、移民であるかどうか、ジェンダー、学校の特徴などの要因と子どもの成績との関係を考察している。

教育格差の指標として、二つ用いられた。一つは、小学校入学年齢より1年前の時点で体系的な学習に参加している子どもの割合。もう一つは、小学校(4年生、10歳前後)と中学校(15歳)の時点で、読解力テストの点数が最も低い生徒と高い生徒の差だ。

データが入手可能な29のヨーロッパの国のうち16カ国で、最も貧しい20%の世帯の子どもは最も豊かな20%の世帯の子どもに比べて、就学前保育・教育に通っている割合が低い。この傾向は、子どもの就学期間を通して続く。また、成績が同じくらいの15歳の子どもを比べると、親が地位の高い職業についている子どもは、親が地位の低い職業についている子どもより、高等教育に進学する傾向がはるかに高い。

また、移民の子どもが相当数いる25カ国のうち21カ国では、15歳の第1世代の移民の子どもは、同年齢の移民でない子どもより成績が劣る傾向がある。15カ国では、第2世代の子どもも、移民でない子どもより成績が下回っている。しかし、オーストラリアとカナダでは、第2世代の移民の子どもは、移民でない子どもより成績がよい傾向にある。これらの傾向は、国によって多様な移民の傾向があることを表している。

日本についての結果を見ると、中学生(15歳)の読解力テストにおける格差は、38カ国中、格差が小さいほうから8番目。小学校段階については、分析に使われた国際テストPIRLSに日本が参加していないため、日本の順位はない。就学前保育・教育への参加率では、41カ国中34番目となっている。

すべての子どもに公平なスタートを提供することが平等と持続可能性を達成するために必要不可欠であること、教育格差の問題は避けられないものではなく政策次第だということをこの報告書は示している。子どもの教育格差を削減するために、「レポートカード15」は以下のことを提言している。

・すべての子どもに質の高い就学前教育とケアを保証すること。
・すべての子どもが最低限の確かな基礎的能力を習得できるよう保証すること。
・社会経済的格差を削減すること。
・成績ジェンダー格差を縮小すること。
・より質の高い、国際比較が可能な、長期の追跡調査を含む証拠(データ)を整備すること。
・平均のみではなく平等にも重きを置くこと。

イノチェンティ研究所所長代行のプリシラ・イデレ氏は次のように述べる。

「この報告書が示しているのは、国は子どもたちに二つの最良のものを提供できるということです。全体としてよい成績を達成しながら、教育格差を少なく保つことができるのです。すべての先進国は、最も取り残される可能性の高い、不利な状況に置かれた家庭の子どもに対して、より多くのことができるし、すべきなのです」

今回報告書を発表したイノチェンティ研究所は、世界の子どもの権利を推進するユニセフのアドボカシー(政策提言)を支えるために設立された。子どもの権利と開発に関する諸問題について調査し、ユニセフおよびパートナーのアドボカシー活動の戦略的方向性、政策およびプログラムの形成を支え、特に最も弱い立場にある世界のすべての子どもたちに必要な世界的調査および政策課題を提供している。

世界の飢餓ニュース一覧へ戻る

支援はこちらから

支援についてのよくある質問支援方法はこちらをご確認ください。

わたしから始める「一時募金」

1000円から任意の金額で始めて頂けます。

今回支援する

世界を変える「毎月募金」

毎月1000円から任意の金額で始めて頂けます。

継続的に支援する