世界の飢餓ニュース

私たちの知らないところで起きている飢餓問題の現状を知ろう。

東アフリカ地域「蝗害」被害状況

 極めて深刻な「蝗害」被害に見舞われている東アフリカ地域において、さらに被害は悪化している。加えてパンデミック、豪雨の影響で、同地域の食糧安全保障は極めて脆弱なものとなっている。

 2019年後半より、記録的な「蝗害」が発生。殺虫剤による駆除が行われたが、焼け石に水の状態となっている。国際救済委員会(International Rescue Committee)は今月によれば、6月の時点でアフリカ北東部から東アフリカにかけて、数万ヘクタールの耕地・牧草地が壊滅。1日に3万5000人分相当の食糧を食べ尽くすサバクトビバッタの群れは、すでにエチオピアにおいて今年1~4月までに牧草地130万ヘクタール、耕地20万ヘクタールを襲い、穀物35万トンが失われている。しかし、これは被害の一部であって全容は把握できていない。

 加えて、8月初旬にはイエメンから到来した群れによる被害が発生。国連食糧農業機関(FAO)は駆除用の飛行機を同国へ再配置して対応に当たっている。なおイエメンでは、エチオピア北東部の脅威となっているサバクトビバッタの群生に適した気候条件が続いており、関係各国政府は厳戒態勢を敷いている。例年平均以上の降雨量は、気候変動や異常気象との関連が指摘されており、「貧困と飢餓」への努力が「気候変動」による「蝗害」発生により脅かされている現状が浮き彫りになっている。

 なおサバクトビバッタの異常発生による「蝗害」は近年では2003年から2005年にかけて起きたものが記憶に新しい。アフリカ東部における「蝗害」によって生活に必要不可欠な食糧であり、また人々の現金収入を支える商品でもある穀物類が消滅している。なお異常気象の継続的発生は、同地域の穀物だけでなく農産物全体の収穫量の減衰に繋がっていると見られている。


●国連食糧農業機関(FAO)東アフリカ地域を管轄するシリル・フェラン氏が見解

 ケニアでの被害地域は一旦終息したものの、これから2020年末に向けて再度爆発的に発生する可能性がある。
 一方、エチオピアでは第2世代の繁殖が続いている。とくにイエメンから到達した新たな群が脅威となっている。駆除に全力を注いでいるが、年内に終わる見通しは立っていない。他方、ソマリアでは、社会的治安の問題を抱えているにもかかわらず、駆除は進んでいる。
 しかしソマリア北部、スーダン、エリトリア西部での繁殖が予想されている。またイエメンと南西アジアにおける被害は懸念材料となっている。しかし、甚大な被害を受けた東アフリカ諸国においては、当初、専門知識皆無の段階だった多くの地域で駆除が進んでいる。
 シリル氏によれば、文字通り、毎日の監視・防除によって、この1月初旬から6月末にかけて約60万ヘクタール、推定4000億匹以上を駆除・制圧した。しかし、依然、課題は残っている。サバクトビバッタの移動は1日に150kmを超える。駆除するためには、これに先回りする形で、人的・経済的資源を絶え間なく投入しなくてはならない。また、COVID-19の影響により、駆除チームの訓練にも影響が出ている。例えば、ケニア政府はCOVID-19を国家的優先事項と宣言しており、夜間外出禁止令が発令されている。それゆえ、駆除チームの活動時間数は減少してしまう。

 FAOの報告によれば、幸い、2月に出現した第1世代のバッタについては、エチオピアとケニアでは駆除に成功した。しかし、繁殖を防がなくては、続けてあらゆる地域の農作物と畜産業、また人々の暮らしに被害が出てしまう。例えば、駆除に成功しても被害地域においては雨季を迎えても牧草地が広がらない、家畜の体調不良などの異常が報告されている。

 シリル氏によれば、2016年以降、旱魃が連続的に発生した地域と、これら蝗害被害を受けた地域は重複している。結果、これらの地域において「貧困と飢餓」のリスクがさらに高まっている。

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