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【南スーダン】「貧困と飢餓」とパンデミックの影響

 長期にわたる内戦により「世界最悪の人道危機」とまで呼ばれた南スーダンの現状について、世界食糧農業機関(FAO)は定例報告を公表した。PDFで全文(英語)を確認できる(http://www.fao.org/3/cb2262en/cb2262en.pdf)。

 同報告によれば、2018年以来、南スーダンでは深刻な栄養失調状態が蔓延している。特に5歳未満の約130万人は、急性栄養失調にある。

 スーダン政府によれば、約1.3万人が新型コロナウイルスに感染。罹患者のうち、約800人が死亡。症例の多くは都市部にて報告されている。同国政府は2020年3月以降、夜間外出禁止令、空港等の国境閉鎖、集会の禁止、国内移動の制限等、COVID-19蔓延を抑制するための緊急措置を、経済活動を維持しながら講じてきた。

 7月には正式に経済活動を再開。しかし、サウジアラビアなど他国への移動、貿易制限に加えて、都市内および州間の公共交通機関の制限は引き続き適用されている。もっともCOVID-19パンデミック以前より、スーダン経済の悪化は明らかになっている。貿易構造の問題、財政赤字、難民や人口移動につながる国内紛争、広範囲にわたる貧困とその拡大、インフレ、社会的不平等、気候変動、害虫の拡散など問題は山積状態にある。

 2020年7月時点、最新の統合食料安全保障フェーズ分類(IPC)分析によれば、スーダンでは約960万人が極めて深刻な食料不安に直面している(IPCフェーズ3以上)。この数値は史上最悪の状態を示している。パンデミックのみならず、大雨による洪水はスーダン国内のあらゆる地域の家屋、インフラ、耕作地などに重大な被害をもたらした。これらを受けて2020年9月4日、スーダン暫定政府は、12月まで国家非常事態宣言を発布。

 同報告は、COVID-19パンデミックによりスーダンの「貧困と飢餓」の状況はさらに悪化した、と伝えている。感染対策のための制限解除後は、生産維持と持続可能な開発への転換が大きな課題となる。速やかなワクチンの配布と接種が望まれている。


引用元:FAO. 2021. The Sudan | Food supply, agricultural livelihoods and food security in the context of COVID-19: Monitoring Report - January 2021. Rome. https://doi.org/10.4060/cb2262en

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