世界の飢餓ニュース

私たちの知らないところで起きている飢餓問題の現状を知ろう。

【映像】チャド湖岸遊牧民の「貧困と飢餓」に立ち向かう女性

 アフリカ大陸中央部、チャド、ニジェール、ナイジェリア、カメルーンにまたがる「チャド湖」は、約1700平方キロメートルの広さを誇る。日本の東京湾、有明海、伊勢湾に匹敵する大きさである。1980年代後半よりかんがい・気候変動による面積が縮小し、一時は10%未満となったが、現在は回復。しかし、砂漠化の最前線でもあり、ナイジェリアの反政府武装組織ボコ・ハラムとの戦闘地域ともなっている。

 チャド湖はアフリカ大陸においても多様な生態系を保存する重要湿地帯であり、同時に約2千万人の周辺住民にとっては漁業地域であり水源地でもある。サハラ砂漠周辺が湿潤だった1万年前、総面積は100万平方キロメートルあったと推定されているが、この1千年で少なくとも6回は干上がっており、歴史的にも拡大と縮小を繰り返す湖である。2001年8月、チャド湖の一部が湿地保全を目的とするラムサール条約登録地となった。

 歴史的にはこのチャド湖沿岸部には、先住民族が遊牧しながら住んでいる。国際連合教育科学文化機関(UNESCO)は、チャド湖沿岸部の遊牧民女性が直面する気候変動の脅威についてドキュメンタリ映像を作成。ヒンドゥ・ウマル・イブラヒム氏(Hindou Oumaru Ibrahim)を紹介した。

 1984年、チャドで生まれたイブラヒム氏は、首都ンジャメナで教育を受け、チャド湖畔の村に戻ってきた。その村は彼女の民族が昔から住む場所でもある。気候変動が村の人々、とくに女性に与える影響に直面し「チャド湖先住民女性協会」を設立。同協会は環境と共存可能な農業、持続可能な管理、環境保護に関する教育を提供する。「環境への権利を抜きにして、人権を語ることはできません」とイブラヒム氏は語る。

 彼女は、地元での活動をよりグローバルな枠組みで支えるべく、2018年にはUNESCOのチャド湖の生態系と遺産を取り扱うプロジェクトで科学技術委員会に参加。干ばつと洪水の早期警報システムの立ち上げから、魚類の産卵場や砂漠化など生態系の修復にいたるまで、幅広い活動を展開している。また天然資源と省エネ経済と両立する収入源の整備にも力を入れている。なぜなら、これらこそが気候変動によって「貧困と飢餓」に直面しかねないチャド湖沿岸部の遊牧民を救う方法だからだ。

 なおUNESCOは「人間と生物圏」計画の50周年記念事業として、イブラヒム氏のような活動について今後もドキュメンタリ映像を作成していく意向を示している。

*映像6分、英語字幕付
https://www.youtube.com/watch?v=2R4GpLlppCc

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