ハンガーゼロの様々な活動の報告をいたします。
2025年04月22日
ハンガーゼロのウクライナ難民支援を続けてきたさん(台湾国籍)が3月上旬に来日、現地の活動状況を報告しました。ロシアに居住地を奪われた東部地域の人々が近隣地域に大量に流入し、それが社会に深刻なみを生み出しているとのことです。王さんは、この4月からハンガーゼロ・スタッフとしてウクライナで難民支援活動に取り組みます。引き続きご支援をお願いします。
現在、ウクライナ西部のリヴィウ市内のアパートを確保して、居住と物資保管に使っています。そこからポーランドの教会から提供された大きなバン(車)に支援物資やボランティア数名を乗せて、厳しい状況下にある東部地域などに入ります。
現地で危険を感じること
戦争が始まる前に私が住んでいた東部のハリキフでは、この1年で2,658の建物がロシア軍の攻撃で被害を受けました。ミサイルやドローン攻撃を警告するサイレンは年に2千回以上鳴り、人々は毎日緊張状態に置かれています。
車を使って物資や人を運ぶことがとても重要ですが、男性は兵士として徴用されるため運転手が不足しています。私は外国人ですし一緒に行くのは24歳以下の若者(主に教会関係者)なので問題ありません。現地ではロシア側に情報が利用されるのでナビゲーションシステムが使えません。
活動内容を具体的に
今は孤児院や精神疾患をもつ子どもがいる福祉施設、現地のキリスト教会、負傷兵のリハビリ施設などへの訪問活動をしています。肉や野菜、果物を届けたり、子どもたちの勉強の助けや一緒に運動したりします。兵士のリハビリ施設では牧師さんによるカウンセリングやお茶と音楽の慰問も行います。また生活苦にある人たちに我々の活動に参加してもらい、報酬として食品を提供したりしています。
今問題になっていること
戦争で家を追われた人々は政府から避難民認定を受け、住む場所と日本円で月額大人7、8千円、子ども1万5千円程が支給されます。しかしお金の支給は滞っています。収入はそれだけで、食事はパンとスープを1日に1回程度ですので、現地に行くとみんな空腹を訴えます。またそこに住まいがある人には政府の支援はほぼありません。戦争の恐怖が続き仕事もなく極度の貧しさの中で、自死、窃盗、売春、麻薬取引、母親が自分の子(乳幼児)を売ったり、ロシアの内通者になったり、治安はこの3年で一番良くない状況です。ですから私たちが活動する時は、信頼できる人としか行わないようにしています。
これからの予定
3月中にはウクライナに戻って支援活動を再開します。これまでしてきた訪問活動や水をする機材を、福祉施設や教会に提供することも考えています。自家発電機の配布は終了しましたが、リヴィウの倉庫には日本から届けられた「パンの缶詰」も少しありますので、それも必要に応じて適時配布します。ただ、これはもしロシアがもっと酷い攻撃(核兵器)をした時の緊急食料としても考えています。夏になれば教会のキッズキャンプの運営の手伝いもします。