南アフリカ共和国活動地視察 | 活動報告|ハンガーゼロ

活動報告

ハンガーゼロの様々な活動の報告をいたします。

南アフリカ共和国活動地視察

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南アフリカ03.jpgハンガー・ゼロは、アフリカ各国での様々な活動を支援しています。アフリカ大陸の活動拠点を訪れるたびに、それぞれの団体の取り組みや活動のユニークさに驚かされます。5月に今年度から支援を始める南アフリカの活動地を訪問したジェロム・カセバスタッフが報告します。(写真左にジェロムスタッフ、同右端はランディFHFI代表)

ガブリエルチャリティの役割 

 南アフリカにおける「ガブリエルチャリティ」(FHIF加盟団体)の活動を報告します。彼らの活動によって、そこに住む人々の人生が大きく変革しました。活動地域は、ダーバンとヨハネスブルグの間に位置し、主にズールー族が居住するバーグビルの地域です。「ガブリエルチャリティ」(以下GC)は、この地域の村人たちへの研修によって潜在能力を引き出すことに焦点を当てていますが、研修後に人々に何をすべきかを指示しません。ただ、正しい考え方と貧困の根本原因について、一人一人に考えてもらうことに重点を置いています。村人が自立し、外部からの援助に頼らず、地域の資源を活用してコミュニティを築き、神から与えられた可能性を認識するよう促すことを大切にしています。

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コミュニティのリーダーシップと協働の育成 

 VOC(ビジョン・オブ・コミュティ=住民主導による地域開発)研修で学んだことを基礎にして、FHIFは農村部や町で大切な役割を担っているリーダーたちを対象にした研修を開始しました。注目すべき成果の一つは、考えの異なる23名のリーダーと研修会を行なったことです。研修後、これらのリーダーたちはそれぞれの違いを乗り越え、早婚、薬物乱用、家庭内暴力といったコミュニティが抱えている緊急の課題に取り組むために協力し始めました。

 それは多くのアフリカの農村部で主要な収入源となっている伝統的な農業にのみ焦点を当てるのではなく、与えられた可能性を認識し、コミュニティ内で互いに支え合うことを目的とした多様な取り組みにつながりました。伝統的な工芸品を作り始めた人もいれば、農業に専念したり、貧困地域の子どもたちを支援する役割を担ったりした人もいました。

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バーグビル地域の希望の光 アンディスワさん

アンディスワさん.jpg 4児の母であるアンディスワ・ムゾツォさんは、19歳で結婚をしてバーグビルに住んでいました。しかし、夫が仕事でヨハネスブルグへ移住すると彼女は様々な困難に心も体も限界にまで達していました。 アンディスワさんの窮状をGCのマパララ牧師が聞き、数回のカウンセリングを通して、彼女が抱える5年間の涙、痛み、飢え、フラストレーションを知りました。夫の不在も重なり、不安が増大していましたが、GCスタッフが彼女を励まし、心の傷が癒されていきました。

 GCのスタッフは彼女のために祈り続ける中で、彼女が夫や夫の家族による虐待が原因で重度の心臓病を患っていて、彼女の命が危ういと医師が警告していることを知りました。

家族と未来の再建

 GCはヨハネスブルグにいる彼女の夫に連絡を取りました。夫は妻の苦しみの真実を謙虚に聞き、心から謝罪し、翌日には帰宅することを約束しました。翌日、GCリーダーとアンディスワさんと夫の間で、話し合いがもたれ、夫は決意を新たにして家に戻り、言葉だけでなく、真摯な行動で彼女への誓いを新たにしました。翌日、彼はGCのメンバーを家族全員に会わせ、叔母、母、叔父、そして年長の子どもたちの間で話し合いを持ちました。

 アンディスワさんは次の大きな一歩を踏み出す準備を始めます。彼女はVOC研修に参加し、家族と調和のとれた生活の中で、新たなキャリアをスタートさせました。義理の両親の援助で小さな家を手に入れ、GCと教会の支援を得て、幼児発達の研修を受けました。夫は約束を守り、愛情深いパートナーとして彼女を支え続けています。

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地域社会への貢献

 カウンセリングから始まった彼女の人生は完全に変化し、彼女が生まれ持った強みを活かす力を得ました。VOC研修を修了した後、彼女は子育ての大切さに気付き、幼稚園設立のために奔走しました。この地域では多くの親が農場などで働き、子どもたちは置き去りにされてしまいます。費用がかかる可能性はありましたが、コミュニティにとって価値のあるものを作りたいという強い思いから、無給で働くこともいといませんでした。夫の家族は、この重要な事業を始めるための小さな部屋を提供してくれました。

 地域の幼稚園に子どもたちを保育と教育のために連れてくる親が増えました。幼稚園の費用を支払えない人たちは食材で支払い、それを使ってすべての子どもたちが栄養を摂取できるようにしています。限られた資源にもかかわらず、親たちは食料を提供し続け、アンディスワさんをはじめとするボランティアたちが協力して子どもたちに食事を提供しています。この取り組みは、低所得地域の人々が、社会経済的地位に関わらず、協力と共通の目的を通して地域のニーズに応えることができることを示しています。

 アンディスワさんは教会の日曜学校の先生としても次世代を育てています。現在、菜園と養鶏プロジェクトを備えた学校を建設する計画を立てています。彼女の歩みは、困難な中でも、希望、支援、そして信仰が驚くべき変革をもたらすことができることを力強く示しています。

 彼女は「みなさんに初めて会った日、私はもっと長く生きられるという希望を見出しました。そして神の愛を感じました。あなた方の祈りの声が聞こえてきます。」今では何度もスタッフたちにこう言います。「私の命を救ってくれてありがとう」。

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