ハンガーゼロの様々な活動の報告をいたします。
2026年03月03日

ウクライナ難民支援を続けてきたハンガーゼロのスタッフが2月10日に1年ぶりに事務所を訪れて報告をしました。王スタッフはロシア軍による侵攻から5年目に入る中、厳しい避難生活を続けている人々に寄り添いながら支援活動を続けています。
支援が届かない地域を優先
発電所だけでなく変電所や送電設備なども攻撃されるので、ウクライナではどこでも停電が起きます。激戦地の東部ハリコフでは、体感温度がマイナス25℃にもなることがあり暖房器具が使えないと命に危険を及ぼします。攻撃対象になっていない小さな町では、各家庭に温水パイプが配管されているので暖を取れています。ただ不安定な電力供給で通信状況が悪化し携帯電話が半日近くも使えなくなることもあり、人々の大きな不安材料となっています。
Q この1年間の主な支援先を教えてください
ヨーロッパや韓国のキリスト教会の献金で建てられた「子ども教育支援センター」(運営は支援された地元キリスト教会)や「避難所」「孤児院」「医療・福祉関係施設」、「避難民支援を続けている地方の小さなキリスト教会」などです。
子ども教育センター(日本の放課後児童クラブに類似)には家庭環境が厳しい児童116名が通っていて、宿題をみたり食事を提供したりしています。

そこには米国のキリスト教会の支援で作られた「パン工場」が併設され、避難民や学校を卒業した若者、戦争で夫な亡くした婦人の働き場所としても貢献をしています。このパン(黒小麦製)は同センターが支援している近隣の孤児院や避難所などに月2回配布され、ハンガーゼロはその時に水のボトルや他の物資をお渡ししています。また安全な水を確保できなくなった所には、水の装置や暖房用木材、車のガソリンを供給したりしています。

パン工場で働く人々と避難所への支援
Q 支援している「避難所」の状況は
避難所には現在265名がおられます。キエフ近くのポロジャンカという町にありますが、そこはロシア軍に一時占拠され、町が破壊されてしまいました。この場所は子ども教育支援センターから情報を得てパンを届けるようになりました。初めて避難所を訪れたとき支援が非常に少ないことに驚きました。所長さんは「キエフのような大きな町には国際社会の関心が高くいろいろ支援物資が届きますが、こんな小さな町にはほとんどきません。政府に要請してもこないのです」とおっしゃていました。
信頼できるパートナーと組む
Q 支援活動で協力しているキリスト教会について
現地で効果的に支援を行うには、ウクライナとチェコの教会との協力は欠かせません。戦争という難しい状況下では信頼できるパートナーは重要です。いま現地の教会に集まる人々の数は戦争前の2、3倍になっています。恐怖や生活不安によって教会が人々の心の拠り所や情報交換の場になっているのです。教会もこうした人々を支える取り組みをしています。
前線に近いハリキフの学校ではミサイル攻撃を知らせる空襲警報発令後、1分以内にシェルターに避難することができず、この4年間学校は再開できていません。コロナ禍も入れると6年です。そのため地元の教会では地下室を提供して学校を開く準備を進めています。ハンガーゼロはその時は学用品などの提供も考えています。

チェコの難民教会での様子
故郷を失った難民の深い絶望感...
チェコの教会も精力的に支援活動を続けていて、ウクライナとチェコでそれぞれ2つの「避難民のための教会」をサポートしています。ウクライナでは支援物資の提供、医療支援ボランティアの派遣などをします。チェコではロシア軍に占領(現在も)された地域から逃れて来た避難民が集う場所にしています。とくに若い女性たちを早くから受け入れ、安全に住める家も用意しています。チェコに逃れた避難民の心には深い絶望感があります。家が破壊された上、戦争終結後もロシアの統治となれば、もとの居住地に帰れなくなるからです。またチェコでは国からの生活支援は少なく、仕事も見つけなければなりません。移民に対して厳しい態度を取る人もいて、学校や職場で差別を受けたりします。教会はそういう人々が心を寄せ合う場所となっています。ハンガーゼロはチェコの教会からウクライナで使う車両(大型のミニバン)の提供や支援活動のボランティア協力などパートナーとして力強い協力をもらってます。
Q 医療ボランティアについて
私の母国台湾からいろいろな分野の医療従事者15名ほどが何度か来てくれています。それに合わせてウクライナの医療ボランティア団体(登録400人程度)が協力して、避難所や子ども支援センター、地方にある教会建物などに診察所を設けて避難民の健康診断や治療をしています。昨年9月には8日間で550人の診療を行いました。診察時には患者のメディカルチェックシートをデジタルで記録、後ほど病院で適切な治療が受けられるようにしています。私は円滑に医療支援できるように各種の連絡調整人の手配などをします。先進医療をもつ日本からもこうした医療ボランティアが来てくれると嬉しいのですが。

Q 支援活動にあって大切にしていることは
現地の状況をよく調べて、本当に支援が必要なのかを見極めるようにします。そのための費用や計画についても知恵が必要なので、始める前は的確な判断ができるように神様によくお祈りしています。
ウクライナ難民支援の募金 はこちらから
王スタッフは、再びウクライナに派遣されました。これからも応援をお願いいたします。
この記事は、支援者の皆様にお届け中の「ハンガーゼロニュース4月号」に掲載したものを特別に先行して公開しました。