イエズス会の環境への取り組み | 世界の飢餓ニュース | ハンガーゼロ

世界の飢餓ニュース

私たちの知らないところで起きている飢餓問題の現状を知ろう。

イエズス会の環境への取り組み

 イエズス会の「正義とエコロジー・ネットワーク・アフリカ(JENA)」が、貧困と飢餓の撲滅に向けて活動を強めている。JENAは、信仰にもとづく市民団体らとネットワークを形成し、農業、食料安全保障のために働きかけている。特に気候変動対策の実施、水生食料生産システム「ブルーフーズ」の普及を推進している。

 ブルーフーズとは、淡水・海水を含む水生植物、動物、藻類などの可食資源である。豊富な栄養素に加え、陸上の動物由来の食料よりも環境負荷が低いので、持続可能で生産的だとみなされている。世界33億人の主要なタンパク源でもある。特に地方先住民コミュニティ8億人の生活を支える資源であり、2050年までに、その需要倍化が見込まれる。

 ブルーフードは、二つの点で優れている。まず、栄養素の高さ、次に環境負荷の低さである。食料に含まれる栄養価の評価において、ブルーフードは、オメガ3脂肪酸、ビタミンA、ビタミンB12、カルシウム、ヨウ素、鉄、亜鉛において牛肉、羊肉、ヤギ肉、鶏肉、豚肉よりも高い。また水生食料資源の75%を23食品において、温室効果ガス排出量、窒素・リン汚染などの数値が低い。カキやハマグリなどの養殖二枚貝、また海藻類の採取は環境負荷の少ない資源だといえる。

しかし、これら水生食品の生産は、気候変動の緩和に大きく貢献しているにもかかわらず、環境変化に対して非常に脆弱である。それゆえ6月8日、JENAは、世界海洋デーに際して国際カリタス、カトリック海外開発庁(CAFOD)とブルーフーズの重要性を訴えた。ローマ教皇庁もこれに同意して、貧困と飢餓の撲滅のためには自然環境の回復力を構築し、農業と持続可能な手段を確立することが、アフリカとアジアの気候変動対策において重要であるとした。

「産めよ、増えよ、地を満たせ、地を従えよ」――聖書の命令に、どのように従うべきか。イエズス会による食料安全保障と気候変動に対する正義の確立、海洋資源への配慮が「貧困と飢餓の撲滅」を目指して始まった。

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