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チュニジアにおける漁業支援から始まる飢餓対策

FAO(国連食糧農業機関)は、ノルウェー開発協力庁の支援を受けながらチュニジア政府と連携し、小規模の漁業従事者への社会的保護の拡充プログラムを推進している。気候変動、環境汚染などの影響で漁師収入は不安定化している。「貧困と飢餓」の潜在的要因ともいえる。このプロジェクトは漁業従事者が社会的保護にアクセスしやすくするための取り組みであり、持続可能な開発、生業、食糧自給の問題にもつながっている。
例えば漁業従事者アブデサレム・カンディルさんとタヘル・ハムザさんは、チュニジア北部の海岸で漁業を営んでいる。アブデサレムさんはわずか28歳ながら、すでに10年以上にわたる経験豊富な漁師だ。日々の収入はタイ、イカ、エビ、タコなどの漁獲量によって決まるが、気候変動と乱獲の影響で獲物を得られない日も多くなった。漁業の収入は季節に左右されて大幅に変動するため、社会保障制度の枠組みでは捉え切ることができない。結果、アブデサレムさんは家賃などの生活費を支払うことが難しくなっている。
一方タヘルさんは4人の子どもを持つ漁師である。ウナギ漁で生計を立ててきたが、彼もアブデサレムさんと同様に、漁業者ゆえに社会保障制度の恩恵を被ることがなく、必要な支援を受けることができない。同様に多くの漁師たちは、そもそも社会保障制度の情報を知らないがゆえに、まずます貧困と飢餓へと近づくことになる。
FAOの「漁業および水産養殖に対する社会的保護プロジェクト(SocPro4Fish)」は、こうした漁業従事者の現状に着目。彼らが社会的保護にアクセスしやすくなるように、現行制度を簡素化、より柔軟な補償要件を検討している。チュニジア政府も関連機関と協力し、現場のニーズを特定、登録簿の確立などの支援業務を始めている。これにより漁業者の生計を改善し、社会的保護の適用範囲拡大を目指す。このような取り組みが、チュニジアの漁師たちが貧困と飢餓に陥らないための対策となっている。

Image by Arek Socha from Pixabay

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