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アジアの温暖化、地球平均よりも加速か


 世界気象機関(WMO)は7月27日、気候と環境に関しての見立てを公表。特にアジア全域が地球平均よりも速いペースで温暖化しており、気候変動の影響が増しているとした。WMOアジア気候報告書によれば、永久凍土、氷河の融解により海面上昇は不可避となり、将来的にさらなる社会的・経済的混乱を引き起こす可能性がある。
事実2022年のアジアの平均気温は、記録に残る中で2、3番目に高い。1991年から2020年の平均よりも約0.72℃高かった。これは気候変動の参照期間となるWMO観測記録1961~1990年と比較しても約1.68℃の上昇となる。アジアは世界で最も災害が発生しやすい地域であるゆえに、気候変動の影響もまた甚大となる。2022年には80カ所以上で災害が発生し、洪水や暴風などが主な原因で5,000人以上が死亡。5000万人以上が影響を受け、経済的被害は360億米ドルを超えた。特に中国では、長期にわたる干ばつが水供給と発電に影響。経済的損失は76億ドル以上を計上した。またアジアの高山地域の氷河は2022年の気候により融解。相当な質量を失った。これは将来的な食糧・水の安全保障、生態系に重大な影響を及ぼすとみなされる。
パキスタンでは2022年にも厳しい洪水が発生し、モンスーン開始からわずか3週間で通常の降雨量の60%を記録。影響は3300万人以上に及び、約14%の人口が死亡。約800万人が避難を余儀なくされた。このような傾向は1982年以降、アジア全体で海洋表面の温暖化から顕著である。北西アラビア海、フィリピン海、日本の東海では、地球平均の約3倍の速さで温暖化が進行している。
WMOのアジアに関する報告書は、アジアと太平洋の国連経済社会委員会(ESCAP)の災害リスク低減委員会において公表された。農業と食品安全保障に焦点を当て、今後予測される過激な気候変動の頻度、 その厳しい影響に関しての警告を含んでいる。
人口密集地域としてのアジアとアフリカにおいて、気候変動による貧困と飢餓の加速が予測される。対策は今すぐに開始しなければならない。

Image by Tumisu from Pixabay

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