貧困と飢餓に対する「価値観」 | 世界の飢餓ニュース | ハンガーゼロ

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貧困と飢餓に対する「価値観」


 アイルランドの公共放送局であるRTÉ(アイルランド放送協会)が、「食料安全保障には価値観に基づくアプローチが必要」だと訴えている。国連食糧農業機関(FAO)試算によれば、2023年7月時点で、健康的な食事を手に入れることができない人の数は世界中で30億人以上となる。同時に、深刻な飢餓と栄養不足に直面している人々は世界人口の 9.2% に増加したとみられる。

 特に深刻な食糧不安は一部地域において顕著だ。アフリカでは人口の20%が飢餓に直面している。カリブ海地域では16%、アジアとラテン・アメリカでは8.5%が貧困と飢餓の中にある。当面の食糧需要を満たし、世界の食糧システムの回復力を促進するための効果的な政治的行動には何が必要なのか。

 RTÉ社会問題・宗教特派員アイブ・コニーリー氏いわく「総合的でシステム化されたアプローチを避けることはできず、そのためには長期的な戦略と新しい考え方への寛容さが必要となる。2030年、2050年を見据えた政治と安全保障に対する価値観主導のアプローチでは、生活必需品の共有を最優先にしながらも、同時に生態学的および気候変動を促進するという長期的な責任も受け入れる必要がある」。

 アイブ氏によれば、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)を支援するためには、長期的に利害関係諸団体との枠組みを刷新する価値の共有が必要になる。たとえば、多くの世界宗教は「貧困と飢餓の撲滅」に賛成し得るし、各国政府、国際支援機関とも協働できる。このように政府と国民が共通の中期的将来について熟議していくための価値観の刷新を求めるところに、さらなるアイデアの余地が生まれてくる。

 気候変動対策の国際的な討論の場とCOP 28 は2023年11月30日から12月12日まで開催される。地球規模で進む気候変動は、そのまま山火事、洪水、暴風雨、干ばつ被害となり、貧困と飢餓の原因となる。貧困と飢餓の撲滅のためには価値観の刷新が求められている。

Image by No-longer-here from Pixabay

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