信仰と食料不安 | 世界の飢餓ニュース | ハンガーゼロ

世界の飢餓ニュース

私たちの知らないところで起きている飢餓問題の現状を知ろう。

信仰と食料不安

英紙ガーディアン(2023年11月17日付)にキリスト教、イスラム教などの宗教的信念に基づく慈善団体関係者らが、現在の食料危機に対してコメントしている。「栄養失調は 11 秒ごとに子供の命を奪っている」と慈善団体の責任者らは現状を訴えている。コメントによれば、食料不安の危機的レベルにある人の数は、2019年には1億4,600万人に達している。しかし2022年には、ほぼ倍増し2億7,800万人となった。長引く気候変動、また先の見えない紛争状態により、食料システムと分配においては不平等が蔓延し、さらに悪化し続けている。特に深刻な事態にあるのは、東アフリカ諸国で5回の不作が発生し、約4,600万人が深刻な食糧不安に直面している。

しかし慈善団体関係者らは希望を失わない。コメントによれば、栄養失調は予防可能である。事実あらゆる人々の努力によって1990年から2015年の間に、全世界の栄養失調人口を半減したからだ。ところが現在、そのかつての進歩は逆転し失われてしまった。援助予算の削減は、全世界で貧困と飢餓ゆえに栄養と食料の不安に悩む人々を圧迫している。終わらない紛争、気候変動、また新型コロナウイルスによって引き起こされた緊急ニーズ対応は、持続可能な食料システムへの長期的な投資を制限してしまった。

 取材に応じた宗教関係者らは語る。「信仰のコミュニティは公正で平和な世界を築く方法を検討しています。これを達成するには、栄養価の高い食品へのアクセスが基礎となります。教育から経済発展、男女平等に至るまで、他の多くの開発目標はそれに依存しているからです」

確かに人類ならば誰でも食事を必要とする。貧しい人々を助け、飢える者を満たすことは、あらゆる宗教の信念に合致する。それゆえコメントは、このように続く。「私たちは英国および国際社会の指導者らに対し求めます。国々とのパートナーシップを築き、人道的対応を拡大し、栄養価の高い食料を優先し、気候危機に取り組み、食料生産者に持続可能な暮らしを提供する新しい食料システム戦略を策定しなくてはなりません」。貧困と飢餓撲滅のために動いてきた最も古い団体は宗教だといえるだろう。

Image by Willfried Wende from Pixabay

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