イスラム食料安全保障機構の取り組み | 世界の飢餓ニュース | ハンガーゼロ

世界の飢餓ニュース

私たちの知らないところで起きている飢餓問題の現状を知ろう。

イスラム食料安全保障機構の取り組み

 「貧困と飢餓」撲滅は、宗教を問わず人類の課題である。イスラム食料安全保障機構(IOFS)は2024年2月27日、IOFS-HBKUウェビナーを開催。持続可能な農業への資金提供の意志を明らかにした。同ウェビナーでは、専門家と関係者らが集い、持続可能な開発目標(SDGs)に基づく資金調達の重要性を強調した。
 IOFSの活動は多岐にわたる。例えば、IOFSはカザフスタンと中国の二国間貿易における農産物輸出の躍進を後押している。中国はカザフスタンからの鶏肉、豚肉、牛肉の輸入禁止を解除したが、さまざまな物流上の課題が輸送を遅らせている。中国の厳しい輸入基準は、カザフスタンの農業従事者の生活にとって喫緊の課題となる。当然、国際社会の政治的課題による輸出入は、政府ではなく人々の「貧困と飢餓」発生の原因となり得る。
 またIOFSは、技術提供と人材開発分野でも活動している。シドニー大学・植物育種研究所らと協力し、ムルターンにおける小麦育種技術に関する包括的な実践研修セッションを提供。さまざまなイスラム協力機構(OIC)加盟国からの参加者に商業用のハイブリッド種子生産を含む知見を提供した。研修の参加者は、このトレーニング課程で種子生産量の増加を目的とした農業の機械化および高度な技術に関する習得、正確な雄株と雌株の播種方法、生態学的条件を前提にしたハイブリッド小麦の適応に関する知的蓄積と実践的洞察を得た。
 同トレーニング課程は、大学研究室への現地訪問、地元市場に供給される生産性の高い無土壌温室農業施設のツアーも含まれている。チュニジア、リビア、エジプト、イラク、カザフスタン、タジキスタン、ウズベキスタンからの参加者は、それぞれ自国の異なる生態環境で試験的使用できるようハイブリッド小麦の種子を受け取り、今後、高度な育種技術の実践と獲得、農業生産性の向上へ新たな一歩を踏み出していくことになる。
 貧困と飢餓の撲滅は、宗教を越えた人類の課題である。イスラム諸国でもまた貧困と飢餓を防ぎ、食糧安全保障を確保する試みが前進し始めている。

UnsplashのPolina Rytovaが撮影した写真

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