私たちの知らないところで起きている飢餓問題の現状を知ろう。
2024年07月04日
イエメンの飢餓の根本的原因は、依然として紛争である。紛争が経済危機と通貨安を招いた結果、同国は2021年以降、食料価格が高騰している。またウクライナ危機がイエメンの食料輸入に打撃を与えており、さらなる物価上昇を招いている。
世界食糧計画(WFP)は、2023年内に1,500万人以上に対して食料配給支援を行った。しかし、それだけでは不十分である。2024年中には1,860万人に対する人道支援が必要となると考えられている。背景には、深刻な食糧不安がある。すでに1,700万人が飢餓レベルにあり、生命の危機に直面している。
WFPは2024年の支援活動に総額で29億米ドルを必要としているが、2024年3月から8月までの活動にでさえ12億7,000万ドルが必要となっている。資金不足が課題となる。
支援活動は、イエメン全土の333地区4,360カ所を超える配給拠点を通じて行われる。主に食糧の提供、現金支給である。市場が安定している地域では、生体認証システムを使用して現金援助を行い、一世帯に提供される食糧の価値と同額にあたる現金を提供し、経済活動を保護する。すなわち貧困には現金で、飢餓には食料で対抗する。
しかしそれだけでは十分な援助とは言えない。同国における食の安全所掌を確保するためにWFPは中程度の急性栄養失調、急性および慢性栄養失調に対抗する予防プログラムを実施。220万人の子ども、190万人の妊婦、授乳中の女性を対象に支援を展開している。
また学校給食プログラムでは小学生に栄養強化デーツバー、栄養強化ビスケットを提供している。ヘルシー・キッチン・プロジェクトは、地産地消を目指して新鮮な食材を使った学校給食も提供している。加えて、ロジスティクス支援も怠らない。国連人道航空サービスは、イエメンとアフリカ地域の五つの主要拠点間で人道支援従事者を輸送する。アデン、ホデイダ、サナア、ジブチ間では、人道支援物資の定期的な輸送が海上でも空中でも行われる。イエメンにといては、女性、乳幼児、子どもへの食料支援が、貧困と飢餓の撲滅への前進となっている。
Unsplashのasamwが撮影した写真