2024年11月25日

紛争後のエチオピアにおける飢餓対策

　ティグレ紛争（2020～2022年）はエチオピア各州や北隣エリトリアを巻き込んだ内戦である。同紛争の損失は成長期待の低下、経済的損失を合わせて287億USドルと見積もられている。「第二次世界大戦以来、最悪な紛争」との研究者の意見もある。

　このエチオピア北部のティグレ紛争終結から２年を経た。貧困と飢餓を撲滅するための取り組みが続いている。紛争は確実に人々の家屋、生活手段の破壊と喪失をもたらし、それが貧困と飢餓の発生原因になる。エチオピア北部において世界食糧計画（WFP）が人々の生活再建の支援を行っている。

　例えば27歳のヒウォット・ネガシ氏は、2020年末の戦争開始時に家を追われ、３年もの間、同国ティグライ州の難民キャンプで過ごしてきた。避難民は40万人にのぼり、毎月一人当たり穀物12キログラムの支援を受けている。しかしながら、食糧支援も資金不足ゆえにWFP目標値の80％に留まっている。より広く精確で公平な支援のためにデジタル配給カード、生体認証などの新システムも導入された。

　WFPの支援計画は避難民が再び農業で生計を立て直せることに主眼を置いている。南ティグライ州に住む小規模農家レムレム・ゲブレキダン氏は紛争によって自給自足の生活を失った。しかしWFPやNGOなどの支援機関から提供されたサツマイモなどの種を植え、子どもたちと共に畑を耕し、生活再建に取り組んでいる。新に設置された灌漑システムは、彼女に10月の収穫を迎えさせ、子どもたちも栄養ある食事につくことができた。

　このように紛争の発生は、貧困と飢餓の主たる発生原因となる。同時に、紛争の終結が貧困と飢餓の撲滅への大前提になることも明らかである。エチオピア北部における平和の回復は、地域全体での生活再建の端緒となった。現在WFPは10万人以上の人々の生活を支援し、可能な限り多くの人が貧困と飢餓にあえぐことがないよう人道支援に取り組んでいる。

 

UnsplashのHanna Graceが撮影した写真

紛争後のエチオピアにおける飢餓対策

 

ティグレ紛争（2020～2022年）はエチオピア各州や北隣エリトリアを巻き込んだ内戦である。同紛争の損失は成長期待の低下、経済的損失を合わせて287億USドルと見積もられている。「第二次世界大戦以来、最悪な紛争」との研究者の意見もある。

このエチオピア北部のティグレ紛争終結から２年を経た。貧困と飢餓を撲滅するための取り組みが続いている。紛争は確実に人々の家屋、生活手段の破壊と喪失をもたらし、それが貧困と飢餓の発生原因になる。エチオピア北部において世界食糧計画（WFP）が人々の生活再建の支援を行っている。

例えば27歳のヒウォット・ネガシ氏は、2020年末の戦争開始時に家を追われ、３年もの間、同国ティグライ州の難民キャンプで過ごしてきた。避難民は40万人にのぼり、毎月一人当たり穀物12キログラムの支援を受けている。しかしながら、食糧支援も資金不足ゆえにWFP目標値の80％に留まっている。より広く精確で公平な支援のためにデジタル配給カード、生体認証などの新システムも導入された。

WFPの支援計画は避難民が再び農業で生計を立て直せることに主眼を置いている。南ティグライ州に住む小規模農家レムレム・ゲブレキダン氏は紛争によって自給自足の生活を失った。しかしWFPやNGOなどの支援機関から提供されたサツマイモなどの種を植え、子どもたちと共に畑を耕し、生活再建に取り組んでいる。新に設置された灌漑システムは、彼女に10月の収穫を迎えさせ、子どもたちも栄養ある食事につくことができた。

このように紛争の発生は、貧困と飢餓の主たる発生原因となる。同時に、紛争の終結が貧困と飢餓の撲滅への大前提になることも明らかである。エチオピア北部における平和の回復は、地域全体での生活再建の端緒となった。現在WFPは10万人以上の人々の生活を支援し、可能な限り多くの人が貧困と飢餓にあえぐことがないよう人道支援に取り組んでいる。

 

UnsplashのHanna Graceが撮影した写真